2003年(平成15年)6月18日 日本食糧新聞 記事本文

HACCP工場訪問

高品質茶生産へ「HACCP手法導入」 「トレーサビリティシステム」も

  (有)丸東製茶(旧丸東茶農協、静岡県榛原郡、0547-46-0881)は今年3月に竣工した国内でも有数の大型最新設備の新工場で初の荒茶の生産が始まった。新工場について北川智久社長は「お客様に工場見学にお越しいただいて安全・安心だと納得していただける工場、そして若い人を育てられる工場を目指すために、従来のお茶工場ではなく食品工場にしたかった」と語り、「高品質茶の生産」のためにHACCP手法とトレーサビリティを導入した。
 荒茶加工工場で重点を置いたのは徹底した異物除去、12.6tの生葉収容コンテナ(4台、工場の生産能力は50tの生葉を24時間で荒茶にする)に生葉の鮮度を保持するために水を含んだ風を送り一定以上の温度になったら警報が鳴る、お茶の味と香りを左右する蒸熱工程はお茶師さんが微妙な調整をした後6台の蒸機が自動制御されて品質の均一化を図る(6台のボイラー熱で工場内温度にほこりと熱風を送り込まないようにボイラー室を仕切った)、荒茶製造用水は電気分解して活性炭を通すなどほぼ全行程を見直して最新システムと設備を導入している。
 異物混入防止では、第一に工場内の意識の徹底を図るために敷地内は禁煙。初めて導入した作業服にはポケットを無くしてペンやたばこを持ち込めないようにした異物混入防止のHACCPサポート作業服を採用。生葉の受け入れ場では搬入の農家も靴を脱ぐ。金属探知機はもちろん、窓の網戸や吸気口にも網を付けるなど虫の混入防止策も至る所にある。
 工場内の一連の作業はコンピューターで集中制御し記録する一方、農家の生葉の育成から荷受・生産までもICカードで管理し、瞬時にどこの畑で農薬や肥料を使用したかという状況までが出てくる仕組みになっている。
 「肥料や農薬も丸東基準があり、厳しくチェックしている。引き合いが多く、生産が間に合わない状況だが、品質にだけはこだわって確実な物を生産したい」としており、順調な滑り出し。茶農協から有限会社に平成12年末に組織再編、諸手続きを経て社員戸数26、生葉会員45戸の新体制は、始まったばかりだ。