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加藤光夫氏
国際HACCP同盟・認定リードインストラクター
株式会社フーズデザイン 代表取締役

包装資材
ポイントメモ

食肉
ポイントメモ

 
 HACCPポイントメモ
入場手順を決める
更衣室に入る前に
ローラーかけの手順と、かけた後、じっと見て確認
長靴の洗浄と保管
ユニフォームの洗濯とリース導入
どこにどれだけ毛髪が落ちているかの調査分析
タオルからカウンタークロスへ
緊急、冬場のノロウイルス対策
エアシャワーから異物が工場内に流れ込まないように
10 フケ、毛髪の落下防止ストッパーがついた帽子
11 休憩時の対策
12 体毛の落下防止
13 新人の投入時教育
14 接触や人の交差による毛髪混入
15 衛生教育で重要なのは「認識」
16 ユニフォームの洗濯
17 長靴か、短靴(シューズ)か
18 ゾーニング間の移動方法
19 秋になったらノロウイルス対策を

20

12月は要注意月間

21

取っ手の汚染に注意

22

湿気とカビ対策

23

作業靴の保管をパイプ式ラックに
24

パイプ式ラックはあらゆるところに

25

作業室の温度とユニフォーム

26

動線の交差を時差で対応する

27

力量と危害の発生
28

手袋の選択のポイント

29

科学的な基準を決める

30

薬品を使わない防虫と殺虫

31

隅に汚染源を作らないレイアウト
   

 

入場手順を決める

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トイレに入る前に手を洗う人はいません、出るとき洗います。


ローラーは頭からかける

  では、粘着ローラーと手洗いはどちらが先?
   
  答えはローラーです。なぜなら、手洗の後にローラーをかけたら、
  せっかく洗った手に埃が付くからです。
   
製造室への入退場の一般的な手順は、
  帽子→作業衣→靴→ローラー→手洗い→乾燥→
  手のアルコール消毒→エアシャワー→入場、が多いと思います。
しかし、工場によっては手順を変えたほうが良いこともあります。
  例えば、手洗い乾燥消毒は、エアシャワーの後でも大丈夫ですから、
  入場場所の状態で、どちらか設置しやすいほうにすればよいです。
今まで手洗いの場所が狭くて困っていたところで、製造室に入って
  すぐに手洗い設備を造れる施設なら、変えたほうが良いことになります。

 

各手順のポイントも、工場によっていろいろになります。
  帽子を被る工程で、ネットを付けてから帽子の工場もあります。
  この場合、2つ被る間に、毛髪が抜け落ちる可能性がありますから、
  作業衣を着る前に軽くローラーをかけるところもあります。
  手洗いの後の乾燥は、完全に乾燥させないとアルコールが効きません。
ご自分のところはどうしたら一番よいのか設計してみたらいかがでしょうか。

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更衣室に入る前に

自宅から工場や厨房に行くまでには、電車や車で、ゴミ、埃、自分や他人の髪の毛が、服に付きます。

  その服のまま更衣室まで行くと、それらの「異物」を持ち込むことになります。
更衣室が汚染されていれば、作業衣に付着し、衛生作業ゾーンにまで入って行ってしまう可能性があります。
  この危険を減らすためには、玄関から更衣室に行くまでに、異物を取り除く仕組みを作ることです。
ある工場では、玄関のところに簡易的なエアシャワーがあり、ここを通ってから更衣室に行きます。
  衣服に付いた異物を吹き飛ばしてから入るのです。
ある工場では、玄関と更衣室の間に、数十人分の個別の
  ブラシが、長い鏡の前にぶら下げてあります。
  玄関を入ったら、それぞれ自分のブラシのところに行き、
  鏡を見ながら毛髪をブラッシングします。
人の髪の毛は1日60本ほど抜け替わりますが、自宅から
  ここに来るまでの間に既に数本抜けていて、それがブラシ
  に付いていることがかなりあります。
ブラッシングしてから更衣室に入ります。
  全員が入ってから、床をモップで拭くと、かなりの髪の毛と
 

ゴミが落ちています。

  何もしなかったら、これらが全て更衣室に入ってしまった
  わけです、ぞっとしますね。
   

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ローラーかけの手順と、かけた後、じっと見て確認

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毛髪混入を無くすためには粘着ローラーが威力を発揮します。

ローラーかけで大切なことは、認識です、いかに大切か、いかに効果があるかを全員が知ることです。
  そのためには、簡単な実験をする効果的な方法があります。休憩時間を15分延長するだけで出来ます。
作業をしている状態のまま、全てのローラーを持って、集まってもらいます。そして、新しい粘着面を出し、
  頭のてっぺんから、帽子全体→ 肩から背中の上側→腕の外側→腕の裏、わきの下から腰→首から、
  胸、腰、上着の下まで→背中から、上着の下まで→ズボンの前と内側→ズボンの後ろ側、と理想的な方法で
  かけます。いつもより時間がかかります。
かけ終わったら、粘着テープをはがして、どの程度ホコリやゴミが
  付いているかを、じっと見て、確認してもらいます。
  そうすると、相当ほこりが付いています。中には毛髪がしっかり付いて
  いる人も出て来ます。
作業していた後そのままの状態でローラーをかけて、これだけほこりが
  付いているのかと、全員がびっくりします。認識します。
  この後、しっかりローラーをかけるようになります。
  テープを今まで3回使っていたところもこれで毎回取り換えることに
  するところも結構あります。
   
   
   
   
   

 緻密なローラーかけ

    外腕   脇下
胸から腹   背中   足の前と内側   足の後ろ側

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長靴の洗浄と保管

作業中に汚れた長靴は、作業室を出るときにきれいに洗います。

  場所は、作業室を出る直前か、出たところにいちばん近い場所にします。
長靴洗浄機でも、手洗いでも、洗った後は水が付いています。
  そのまま歩いて行くと床に水が落ちます。
  人数が多い場合には床が水浸しになってしまいます。
  そこで洗浄後マットを置いたりしてすぐに水切りが出来るように
  しておきます。
洗浄と水切りが終わったら、長靴保管場所までそのまま歩いて
  行きますが、大切なのは置き方です。
長靴入れは、扉が無いほうが、清潔状態の確認が簡単で、
  乾燥も出来ます。扉で締め切ってしまうと、湿気で、細菌増殖
  しますし、カビ問題にもなります。
長靴入れを使わないで、バーに引っかける方法を取り入れる
  ところが増えてきています。
  反対にして引っかけると、靴の中に入っているゴミを落とす
  ことが出来ます。
  また、靴の底が上になるので、靴底に引っ掛かっているゴミを
  発見できます。これを知らないで放っておくと、歩いている時に
  飛ばして異物混入の元にもなってしまいます。
清潔に保管しておき、入場するときは、きれいな靴を履き、
消毒槽を通して作業室に入るようにします。
   

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ユニフォームの洗濯とリース導入

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ユニフォームの洗濯は、業者に出したり、工場内だと、コストがバカになりません。

  従事者が約百人の工場では工場内で洗濯していましたが、年間248万円のクリーニング費がかかって
  いました。クリーニングに出す頻度は各自の判断だったので、女性の場合はまめに出すため経費の増加に
  つながり、男性は交換頻度が低く非衛生。
  自宅で洗うと、おむつ、下着、靴下、ペット衣料などとの交差汚染、洗剤残留、外で干すために虫や農薬埃
  などの異物問題が考えられました。
  保有枚数は、2年ごとに新品2着貸与にしていましたが、在庫過多だったり、退職や移動での無駄がかなり
  ありました。置き場所や自分の作業衣を探すロスもあります。
  そこで、リースを検討しました。
   
一人へのレンタル枚数(上着3着、ズボン3本)、週1回クリーニング契約。
最新高性能仕様(サンエス製)での統一された衛生基準で管理。
「全員週1回クリーニング出し」ルールにより経費・衛生のコントロール可能。
手元に常に2着(1つは着用、1つは洗濯済)、残り1つはクリーニングに出されている。
人員の増減では、週単位で契約変更の対応可能。
最小在庫保管管理や分類納品により簡単に探せる。
無料補修
  と言った多くのメリットがあり、経費ではトータルで年間90万円ぐらい安くなることがわかり、
  すぐに導入しました。

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どこにどれだけ毛髪が落ちているかの調査分析
ある総菜工場では、5S活動の効果で異物混入クレームがかなり減ってきましたが、それでも毛髪混入
  クレームがわずかながら残っていました。そこで、どこにどれだけ毛髪が落ちているかを調べてみることに
  しました。
カーペット清掃用の粘着ローラーを買ってきて、工場の清掃前に、寿司作業室、盛り付台(下)、盛り付室、
  パック台(下)、手洗い場1、手洗い場2、ピッキング、各ブロックごとにローラーをかけ、それぞれ何本の
毛髪がローラーに着いていたのかを調べたのです。

 

《毛髪落下分析表》

調査月 3月度 4月度 5月度 6月度 7月度
寿司作業室 11
盛り付台(下) 45 35 25 48 60
盛り付室 16 13 11 18 21
パック台(下) 33 29 21 48 43
手洗い場1 213 234 276 275 269
手洗い場2 19 11 26 28
ピッキング 27   42    
342 341 387 424 428
これを行なった結果、手洗い場1の床に極端に毛髪が多いことがわかり、原因がすぐにわかりました。
この工場の入場方法は入場室に入ったら、最初にエアプレッシャーで体についているゴミや埃を吹き飛ばして
  から、粘着ローラーをかけ、手洗いをしていました。このときに、キャップに着いたりはみ出した毛髪、
  ユニフォームに時たまついている毛髪を吹き落としていたのです。
これはこれで効果があったわけですが、落ちた毛髪が工場内に入っていく可能性もあるわけです。
そこで、エアプレッシャーをかける場所を入場室に入る手前にしました。これを終えてから、長靴に履き替え
  ます。
検証したところ、十分に効果があり、実質的な効果も出ました。

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タオルからカウンタークロスへ

タオルは、新しいうちはいいのですが、古くなってくると、繊維がほつれて外れ、異物混入になってしまい
  ます。
ある食肉パック工場では、鶏肉の砂肝など、内臓類のドリップをふき取ってからパックするために、タオルを
  使っていました。
ところがこのタオルが古くなるとクレームになる危険があることがわかりました。
  そこでタオルをカウンタークロスに変えてみました。
 
 
タオル   カウンタークロス
カウンタークロスは、CDケースに使われているように、ほつれませんし、保水性もありますから、ドリップの
  ふき取りに適しています。
結果が良かったので、工場内で使っているタオルを、全てカウンタークロスに変え、危害を未然に防止でき
  ました。繰り返し洗って使えるのと、使い捨てタイプがあります。
  ある弁当工場では、ガス窯で炊飯をしています。ガス窯は、おいしく炊けるし、製造量の増減や、何種類もの
  炊き込みご飯にもフレキシブルに対応出来るからです。この時、布巾を敷いてから炊くわけですが、その
  布巾のほつれが製品に入る危険がありました。そこで、プロ用の、端の部分を折り返してほつれないものが
  あることがわかり、それに変えました。
工場内で使っているものに、異物混入の元が無いか、点検してみましょう。

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緊急、冬場のノロウイルス対策

ノロウイルスによる食中毒は、12月に一気に増え、翌年春先まで猛威を振るいます。
  特に多い12から1月は「ノロウイルス警報」を出して、全員に危険を認識してもらいましょう。
ノロウイルス対策は、手洗いです。ノロウイルスを持っている人が大便をして、もし手を洗わなかった場合、
  億単位のノロウイルスが手に付着しているといわれます。
このノロウイルスが付いた食品を食べると食中毒になりますが、これにはノロウイルスが数十個あれば
いいのだということです。如何に強力か良くわかります。
手に付いたノロウイルスは、ユニフォーム、エプロン、ドアの取っ手、粘着ローラーのハンドルなどを経由して、
  従事者全体に広がっていきます。
指輪と指の間にウイルスがついていて、その人が学校給食のパンのパッケージをしていたため、集団食中毒
  になってしまったこともあります。
手洗いを高機能の設備にするには、費用がかかりますが、最低レベルでも、洗い方の徹底によって、
  かなり清潔な状態で入場できるようにすることは出来ます。
手順、指の付け根の汚れが残りやすいなどの状況を考慮した洗い方、「30秒間もみ洗い」として一分時計を
  置く、などを、マニュアルと訓練で徹底すると良くなります。
 
 

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エアシャワーから異物が工場内に流れ込まないように

エアシャワーが自動式でなく、手で製造室側のドアを開ける機種の場合、エアが止まってすぐ開けて出て
  しまうと、まだ埃や最悪毛髪が舞っているときに開けることになり、埃や毛髪を製造室側に、エアシャワーが
  押しだすことになってしまいます。
対策としては、「ゆっくり2つ数えてからドアを開ける」といったマニュアルにします。
自動式の場合、止まってから2秒ほど、気流が落ち着くのを待ってドアを開けるようにセットします。
 
そして、なぜなのかを教育して全員に認識させておくことが大切です。
エアシャワーから作業場側に毛髪やゴミが入り込んでいないかを調べたい場合、家庭のカーペット用の
  粘着ローラーを買ってきて、エアシャワーの出口付近一帯にかけてみるとわかります。
この方法で、工場内のどこにどんな異物が落ちているかを調べることも出来ます。1坪ぐらいに区分けして
  調べて行くのです。
また、粘着ローラーをかけないで、ただ単にエアシャワーを使うだけだですと、あまり効果が出ません。
  シャワーを通ればいいんだという安易な認識になってしまっていたら、更に良くありません。
  エアシャワーは、しっかりとローラーをかけた後、更なる仕上げとしてかけるのが効果的です。

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10

フケ、毛髪の落下防止ストッパーがついた帽子

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人の頭にはフケがあります。
  「朝シャン」をしてから来てくれればいいのですが、全員に強制は出来ません。
フケには黄色ブドウ球菌があり、それがサンドイッチやサラダ、刺し身、和え物などの非加熱食品に落下
  すると、急性食中毒の危険があります。
液体中に落下して、例えば10℃以上の状態で放置された場合、黄色ブドウ球菌は毒素を作り出し普通の
  加熱では無くなりません。

大阪の牛乳メーカーで起きた大食中毒事件は、この毒素が入った
  粉乳を使って、乳加工製品を作ったことによります。
帽子は毛髪やフケの落下防止機能がついたものを使うほうが安全
  です。
  額からこめかみの前までの、毛髪の生え際のところを圧着して落ち
  ないようにしてあるものです。
  そして、頭巾型をお勧めします。
以前、ある納豆工場で、簡易的な帽子から高機能の頭巾型に変え
  たところ、毛髪のクレームが激減しました。
  ところがしばらくして初夏になり、暑くなるにしたがって耐えられなく
  なったため、以前のタイプに戻してしまいました。
  その直後、毛髪クレームが殺到したことがあります。
  このような場合、清涼タイプのものもありますので、
それに変えたら良いでしょう。
   

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11

休憩時の対策

1. 昼食時などの長い休憩で
  ユニフォームやキャップをかぶったまま休憩室に入ると、休憩室に落下している毛髪、ゴミなどが付着して、
  そればそのまま作業室に入ってしまいます。
  畳の休憩室だと、ごろごろ転がって寝ころんだりしているので、より危険になりますが、転がってはいけない
  などといえません。
  こういった場合、休憩室に入る前に、入り口の壁などにハンガーを設置して、これにユニフォームとキャップを
  引っかけてから入るようにすればいいです。
   
2. 短い休憩で
  15分ほどの短い休憩時では、時間がありませんし、外してまた直ぐに付けることになりますから、
  かえって危険な面もあります。
  この場合、短い休憩では、帽子は取ってはいけない、という方法をとっているところもかなりあります。
   
3. 喫煙
  ある大型の生鮮加工工場で、冷蔵庫の中に赤いバケツが置いてあり、そこでタバコを吸っている人が
  いました。トップの方は「何やってるんだ」と叱っていました。
  ある工場では、数坪の小さな部屋を喫煙室にし、タバコを吸う人は、ここに自分のタバコを置き、この中で
  だけ吸えるルールです。
  そして、この喫煙室の清掃は、タバコを吸う人たちが責任を持ってやるようにしています。
  汚れていたら喫煙禁止にする処罰になります。

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12

体毛の落下防止

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作業室の温度が高い場所、夏場作業室内が熱くなるところ、

  豆腐工場など、水槽などに肘近くまで手を入れる作業では、
  半袖の作業服を使います。この場合、わき毛が落下する危険が
あります。このような作業では、わきの下にインナーネットが入って
  いる作業服だと安全です。
作業服の上着の下に何を着るかで、危険性が違ってきます。
  つるつるした埃の出にくいシャツなら良いのですが、冬場や寒い
  作業場の場合、セーターを着ると、毛玉が落ちやすくなります。
輸入した牛肉から赤い繊維のようなものが出て来てクレームに
  なったことがあり、調べたら毛糸の破片だとわかりました。
  牛肉は赤いので見落とし、お客様のところまで行ってしまったの

  です。現地に問い合わせたら、カット作業場は5℃の低温なので、
  作業服の下にセーターを来ている人が多いということでした。
低温は製品のために必要です。しかし、作業者には寒いわけです
  から、セーターを着ることを禁止できません。
  このような場合、上着のユニフォームの胴部分に、インナーネットが
入っているものを使うと安全です。
ネット部分をズボンの中に入れて着用すれば、その中に着ている
  ものからの異物は落ちません。
   

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13

新人の投入時教育

新人の現場への投入は下手をすると危害の発生に直接つながります。
ある工場では、顧客からの1ヶ月間のクレームを、翌月1ヶ月の間にまとめ、その翌月の始めに発表して
  いました。
  あるとき、いつもの月に比べて、異常にクレーム件数が多くなっていたので、あわてて調査をしたところ、
  どこかの工程で集中して問題が出ているようではなく、あちこちの工程で問題が多くなっているようで、
  なかなか原因がわかりませんでした。
クレーム対応とは関係無い人事部がたまたまこの話を聞き、原因がわかりました。
  この工場は、かなりの従事者が居るのですが、従来からのパート募集では足りなくなってきたため、
  丁度クレームが増えだした月初めに、十数人の外国人従事者を工場の各工程に分散して投入していた
  のです。そして、直後にクレームが増え出したことがわかりました。
新人に、ユニフォームと帽子の付け方、粘着ローラーの使い方、手洗い、トイレや休憩時の決まりなど、
  十分に教えないまま現場に投入してしまったのです。
「常識でわかる」「回り、先輩を見れば出来るようになる」という、日本独自の考えで、忙しいこともあって、
  進めてしまったのです。
  新人は、十分教育してから現場に投入すべきです。

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14

接触や人の交差による毛髪混入

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毛髪は1日60本程度が生え替わりや脱毛で落ちていますから、多くの従業員がいる工場では深刻です。
主な対策は粘着ローラーですが、接触や人の交差でも毛髪は脱落します。
ある工場では、工場への入り口が階段の関係で低いところがありました。安全のために緩衝材を貼り付けて
  あるので、頭をこすってもあまり気にしません。
あるとき、毛髪混入クレーム対策で、工場内のどこに毛髪がいちばん落ちているか検査したところ、この
  入り口から入っていく通路に集中して落ちていることがわかりました。入り口で頭をこすり、そのショックで
  毛髪が抜け、作業帽のすき間から落下していたと推測しました。そこで、入り口を改修したところ、問題は
  解決しました。
別の工場では、指示書、伝票、ラベルなどが置いてある場所に行くためには、全ての作業場から、
  数メートルの一本の狭い通路を通っていきます。ここで作業者がすれ違い、時々ぶつかり、そのショックで
  毛髪が落ちているのではないかとある日気が付きました。
  そこで、この伝票などが置いてあるテーブルを、工場の真ん中に移動し、各作業室から交差しないで取りに
  行けるようにしたら、劇的にクレームが無くなりました。

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15

衛生教育で重要なのは「認識」

個人衛生に関する教育は、どのようにやれば効果的なのか、どの食品施設でも苦労していますが、
  大事なことは、認識です。
ある総菜工場で、HACCPのCCPになる加熱調理後の中心温度の測定を行っている担当者に
  「なぜ75℃なのですか?」と聞いてみたところ「なぜだかわかりませんが、言われているので計っています」と
  言う答が返ってきました。そこで「75℃になると、食中毒菌が死ぬからですよ」と教えたら「ああ、そうだった
  のですか!」と、始めて自分の行っている作業の重要性と理由がわかったようです。
なぜ作業衣にポケットが無いのか、なぜ帽子を被る前にネットまで被らなくてはいけないか、認識をまずして
  もらい、だからこのようにと、手順、ルールを教えると効果的です。
  手を洗う教材を作るとき、手を洗う前、洗剤をつける前に湯だけをかけたとき、そして洗剤で10秒洗ったとき、
  30秒洗ったときと、四つの段階の汚染データを出したところがあります。
従事者が驚くのは、手を洗う前よりも、お湯だけをかけたときの方が汚いということです。
  これは、湯をかけることによって、手のシワの中などから細菌が浮き出てくるからです。
また、10秒と30秒の違いも大変なものでした。長く洗わなければ駄目だという認識をしたわけです。

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16

ユニフォームの洗濯

ユニフォームの洗濯を、従事者が自宅に持ち帰って行なっている工場がありますが、衛生管理と、異物混入
  の問題があります。家族の洗濯物と一緒になり、下着や、極端な場合赤ちゃんのオムツも一緒になってしま
  います。
ユニフォームが、糸くずが出ないものを使っていても、家庭内で使っている衣類はそうではありません。
  細かい埃も含めて、異物混入の元と一緒に洗濯することになり、それがユニフォームに付着して工場まで
  入り込んでしまいます。
干すのも、晴れていれば日光殺菌が出来ますが、そんな日ばかりではありません。干す場所によっては、
  埃、ゴミ、虫、枯れ葉などの付着の危険もあります。
  ユニフォームを工場内の洗濯機で、ほつれ、ボタン、糸などの脱落が無いものだけを洗えば、異物混入の
  危険もありません。
ある工場では、ロッカー室に大型の使用済みユニ
  フォーム専用のコンテナを置いています。
  作業が終わって、ロッカー室に行ったら、ユニフォー
  ムをその中に入れます。
  ポケットは付いていませんので、ゴミが入る心配は
  ありません。
  その後、隣の洗濯室で洗濯、熱風乾燥殺菌します。
レンタル、リースの場合は、殺菌と異物混入の
  問題が無いかを、業者に確認しましょう。
   

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17

長靴か、短靴(シューズ)か

ある食肉加工工場で、長靴の中が蒸れて汚れて臭って困ることが問題になっていました。
  そこで「なぜ長靴を使うのか?」という問い掛けをしてみましたら、考え込んでしまいました。
  食品工場でなぜ長靴を使うかですが、水を使うから長靴が必要になる、ということになります。
  しかし、最近の考え方は出来るだけ水を使わない方法になってきています。
水を使わなければ、衛生管理がやりやすいですし、細菌やカビの増殖を抑えることが出来ます。
作業中はドライな床で行ない、作業終了後、泡洗浄や水を流しての洗浄を行ない仕上げは水切りと乾燥。
  そして、翌朝まで湿度を出来るだけ落とす方法がベストです。
こういう方法ならば、作業中は長靴よりも、短靴の方が軽く、フットワークが良く、蒸れないで、清潔に
  できます。更に低価格でもあります。
ウオーキングするのに、スニーカーではなく、長靴でやったら大変なことになってしまいます。
ある総菜工場では、製造作業では短靴を使い、作業終了後の清掃と洗浄になると担当の方は長靴に
  履き替えています。こうすれば、快適な製造作業ができ、洗浄時だけしか長靴を使わないので、
  履きっぱなしで蒸れることもありません。
  長靴か、短靴か、考えてみませんか?

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18

ゾーニング間の移動方法

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準清潔ゾーンで下処理した食材を、カートに乗せて、清潔ゾーンに持っていくと、準清潔ゾーンの人が
  清潔ゾーンに入ってしまうので、問題な のではないか?といった質問があります。
同じような質問で、カート、キャスターは、準清潔ゾーンにあったものなので、それをそのまま転がして
  清潔ゾーンに持っていっていいのか?ということもあります。
このゾーニングの差を、厳密に考えてしまうと、作業が出来なくなります。従事者は着替えて手洗いを
  してから、などは不可能です。
この方法ですが、準清潔ゾーンの従事者が、清潔ゾーン側に少し入って食材を押し込む、という程度
  ならば 問題はありません。清潔ゾーンの人が準清潔ゾーンに取りに行く、といった形で、逆でも出来ます。
キャスターですが、キャスタータイヤは床を転がすわけですが、「床はすべて汚染ゾーン」です。
  たとえ清潔ゾーンでも、そこで食品、例えば総菜で調理した料理を落としたら、拾って製品に入れることは
  しません。
清潔ゾーンでも床は汚染ゾーンになります。大事なことは「ゾーニングレベルが違うんだ」という意識です。
  このために、ゾーニング別にユニフォームの色を変える方法があります。

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19

秋になったらノロウイルス対策を

食中毒のシーズンは、以前は夏場だけだったのですが、ここ数年前から、ノロウイルスが原因の
  食中毒が猛威を振るっています。
これは、ひとつには、以前は食中毒の原因にノロウイルスが入ってなかったために、目立たなかった
  事もあります。以前はSRSVといわれていました。
しかしそれにしても、ここ数年の間、毎年12月から翌年の2月までの間、患者数が急増します。
  大元の原因である生ガキなどを食べる季節ではありますが、拡大の原因は、ノロウイルスを持っている
人が、トイレから出る時に手を良く洗わず、その手でドアノブ、冷蔵庫の取ってやひもスイッチ、ひどい場合
  は直接食品に接触する事から起こります。
大便をした後よく手を洗わないと、手に付着している
  ノロウイルスは億単位という事です。
  そして、その中の数十のノロウイルスが人が食べる
  と食中毒になるという、強力なものです。

ノロウイルス対策は手洗いの徹底が最大の対策

 

です。

 

そのために大切な事は、全従事者がこの事を認識

 

する事です。

教育をし、手洗いの方法と手順を見直し、

 

実施を徹底させる活動を、秋から始めてください。

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20

12月は要注意月間

いつもと違う時、事故は起こります。12月は特別売り上げが上がる月の食品企業はかなり多いと思います。
  生産、販売量が急拡大するわけですから、人的な生産を行なっている所は臨時従事者、装置でつくっている
  工場では機械装置への付加が大きくなります。
  臨時従事者を急増させる場合、教育と担当作業に十分に注意する必要があります。
ある食品工場では、毎月クレーム件数が数件だったのが、ある月十件を大きく超え、異常な件数になって
  しまいました。原因は新しく雇い入れた十数名の外国人従業員でした。
異常は、大きく2つのものでした。
  毛髪混入と、拭き取り検査の不良成績です。忙しかったために、入場時のルールをよく説明訓練しないで、
  いきなり作業に入れてしまい、そのままその不合格な入場手順で続けていってしまったのです。
  これがクレームという結果になって戻ってきてしまってから原因がわかり、1ヶ月経ってからやっと対応した
  わけです。
ある工場では、パッケージ機械が稼働し続け、シール不良によるクレームがいくつか出てしまいました。
  パッケージ機械はある程度使ったら清掃しないといけないのですが、それが出来なかったのです。
  いつもと違う時、忙しい時、事故が起こる可能性が大きくなります。いつもと違う状況になったら、お互い
  注意しあうことが大切です。

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21

取っ手の汚染に注意

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食品工場や厨房でATPなどでの拭き取り検査で汚染が激しい場所は、冷蔵庫の取っ手です。
  ドアは重たいので、力を入れてしっかり触ります。そこで手が取っ手を汚染します。多くの人の手が入れ
  替わり立ち替わり汚染をし続けることになります。
従事者の1人の手がノロウイルスや黄色ブドウ球菌に汚染されていたら、取っ手を通じて多くの従事者の
手を汚染してしまいます。そして、汚染された従事者の手が、食品を汚染する率が高くなります。
冷蔵庫の取っ手以外では、ドアのノブ、水道の栓などが汚染されています。
ドアのノブは、スプリング式のドアならば取り去って、肘で開けるようにする方法があります。密閉度を
  それほど高くする必要がなく、気圧バランスが適正なら、スゥイングドアに改修する方法もあります。
水道の栓は、肘操作のノブに取り換えることが出来ます。
しかし、冷蔵庫の取っ手は、簡単に改善することが出来ません。自動式や足踏み式スイッチに取り換えるに
  は、かなりの費用がかかります。
  とりあえず実施することは、冷蔵庫の取っ手は汚染されるんだ、という認識です。
  冷蔵庫の取っ手を触ったあと、食品に直接触れる作業に入る前に手洗いをすることです。

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22

湿気とカビ対策

カビで困っている工場は多いようです。工場内の壁面や天井にカビが付着し、次第に広がっていくのを
  見ていると、また費用をかけてカビ清掃をしなければならない、と憂鬱になります。
このような場合、湿度対策を全くしないままカビ清掃をしても、しばらくしたらまたカビは出てきてしまいます。
  湿度が高いままだと、カビは増殖するからです。
対策は、カビ清掃の前に、湿度対策をしなければなりません。
  厳密にいえば、湿度43%以下を、毎日3時間以上
  キープすればカビは増殖しません。
  43%まで下げられないようでも、60%以下程度に
  出来るなら、かなり違います。
ある豆腐工場では、今まで湿度80%だったところ
  で、湿度対策をして、60%あたりに下げることが
  出来てから、それまでにたまったカビ清掃をした
  ところ、その後のカビの増殖は見られませんでした。
方法は、小さな作業室なら、家電製品売り場に
  行けば3万円ぐらいで売っている除湿器を入れます。
この中で、貯水タンクを使わないで、水道ホースを
  接続すれば、直接排水できるものを選びます。